天神学園大新年会
「ささ、お父さん一杯どうぞ」

杯に御屠蘇を注ぐ雛菊。

「おっとと…いやぁ、実の娘に酌してもらうなんて、なかなかいいもんだぁな、オイ」

ニヤニヤが止まらない昇竜。

「あらお父さんたら。私よりも雛ちゃんの方がいいのかしら?」

「い、いや静江、おめぇの酌もそりゃあ勿論嬉しいぜ?でもほら、雛は留守がちだからよ…」

しどろもどろになる昇竜に、雛菊と静江がクスクス笑う。

「おお!この刺身美味ぇ!こっちの雑煮もたまんねぇ!やっぱお袋の料理は最高だな!」

龍太郎はひたすらに料理にがっつく。

「龍太郎、お姉ちゃんも料理手伝ったんだけどぉ?」

「雛菊の料理も美味いんだけどなぁ、やっぱお袋にはまだまだ敵わねぇな」

「ひどぉい、失礼しちゃう」

プクッと頬を膨らませる雛菊に。

「あら、雛ちゃんも筋はいいわよ。今にもっと料理上手になって、いいお嫁さんになるわよ」

静江がコロコロと笑う。

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