天神学園大新年会
家族団欒、穏やかな新年。

しかしそんな団欒をぶち壊したのは。

「!!!!」

突然部屋の襖を荒々しく開けて乱入してきた、丹下家長男の登場だった。

「お、お兄ちゃん…」

昇竜の隣に座ったまま、表情を強張らせる雛菊。

箸を持つ手を止め、緊張した表情の静江。

龍太郎は素知らぬ顔で雑煮を食い続けている。

「…………」

昇竜は杯を呷った後。

「はて…どちらさんだい?」

ギロリと長男…丹下 龍二を睨んだ。

背格好だけ龍太郎を成長させたような、長男・龍二。

薄汚れたTシャツとジーンズ、肩に担いだ頭陀袋。

彼はその荷物をドスンと畳の上に置き、父親を睥睨する。

「長男の顔を忘れるほど呆けたか?」

「長男…?」

昇竜は手にした杯を。

「っっ!」

龍二の顔目掛けて投げつけた。

「家を継ぐ責任放棄して勝手に出て行っといて、ノコノコ帰ってきたボンクラに、長男名乗る資格与えるほど俺ぁ丸くなってねぇぞ屑野郎が!」

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