天神学園大新年会
血を分けた親子が、酷い乱闘だった。

早くも血を流し、打撲に青痣を作る龍二と昇竜。

止めに入ろうにも、静江は武術の心得はないし、雛菊は龍二や昇竜の実力には及ばない。

「……っ!」

雛菊の脳裏に思い出されるのは、龍二が家を出て行ったあの日。

父と兄が憎しみ合って争い、家族が崩壊寸前にまで陥ったあの日。

「龍太郎!」

堪らず、雛菊は龍太郎に縋り付いた。

「止めてよ!あの二人止めてよ龍太郎!」

「…………」

龍太郎は雛菊を見る。

姉は、今にも泣き出しそうな表情だった。

「嫌だよ!また家族がみんなバラバラになるのは嫌だよ!お姉ちゃん仲のいい家族がいいよう!」

「ひ、雛ちゃん!無理言ったら駄目よ!龍太郎にお父さんと龍二を止めさせるなんて!」

静江が言う中。

「…はぁ…仕方ねぇなぁ…」

龍太郎は箸を置いて立ち上がった。

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