天神学園大新年会
庭先では、昇竜と龍二の戦いがクライマックスを迎えていた。

ギシリと拳を握り締める両者。

中高一本拳(なかだかいっぽんけん)。

中指の中節骨を高く突き立てるようにして握り込む形の拳。

相手の急所をピンポイントで突くのに適した、空手の『人体破壊技』である。

本来、親子喧嘩で使うような技ではない。

お互いに本気で相手を潰そうとしている。

「殺してやんぜ、親父!」

「殺れるもんなら殺ってみやがれ!」

同時に地面を蹴った両者。

二人は。

「あー…やめれっての」

突然割って入った龍太郎に、その拳を受け止められた。

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