天神学園大新年会
「り、龍太郎っ?」

「ゲッ!龍太郎!」

声を上げる昇竜と龍二。

父は解せないといった顔をするが、龍二は知っている。

この丹下家末弟が、もう既にかつての最弱の弟ではない事を。

「龍太郎てめぇ!この家で一番弱ぇ男がしゃしゃり出るんじゃねぇ!すっこんでろ!」

「親父ぃ…プロがこんな真似しちゃいけねぇよ…度量のデカイとこを見せてだな…」

面倒臭そうに語る龍太郎に。

「誰に口利いてんだ馬鹿息子が!」

残るもう片方の拳を繰り出す昇竜。

怒りに我を忘れてしまったせいか、プロの空手家は本気の手加減無しの拳を放ってしまう。

その拳を。

「!?」

龍太郎は額でまともに受けて尚、平然としていた。

「落ち着けって、親父」

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