天神学園大新年会
ここの面子は、揃いも揃って自由な人ばかりだ。

翡翠は翡翠で、席を立ってフラフラと歩いて行き。

「!」

ちょうど他所の席に酒やジュースを注ぎに回っていたこはくを捕まえる。

「あれ、どうしたんだい、すー?」

「…………」

無言でこはくの手を引く翡翠。

まるで眠くなって抱っこをせがむ子供のようだ。

「待ってよ、すー。まだ高成先生や虎次郎先生にお酒を注いでないんだよ」

「高成やしまじろうなど注がんでいい、俺のとこに来い」

あれあれ翡翠先生、正月早々ヤキモチですか?

「でも、一人に注いで一人に注がないっていうのは不公平だし…」

「俺を最優先に相手しない方が不公平だ」

今にも地団駄踏みそうな翡翠に。

「…………」

こはくはニッコリ微笑んで。

「我慢できない殿方は嫌いだなぁ、僕…」

「!!!!!!!!」

翡翠、こはくに僅か数秒で撃沈される。

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