天神学園大新年会
「女性ですか」

落ち着いた佇まいで、渉は正座を崩さない。

「僕もまぁ思春期ですから、それ相応に女性の知り合いもいますが」

「そうそうそれそれ、それを言ってみろってんだ」

渉とは対照的に胡坐をかく虎次郎。

「例えば…」

渉は指を折る。

「口元がセクシーな年上の女性とか」

口裂け女である。

「会いに来る時は必ず一本電話を入れてくれる律儀な女性とか」

メリーさんである。

「恥ずかしがってチラチラこちらを覗き見るだけの女性とか」

隙間女である。

「おいおい、三人もかよ!くぅうぅっ、羨ましいなこの野郎!一人紹介しろよ!」

「…いいですけど…ジロー先生、眠れなくなりますよ?」

「朝まで寝かせねぇってか?言うねぇお前!」

勘違いしているうちが華である。

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