小悪魔オンナの愛し方。

そうだったの?!

職場に友人の少ない僕は、
気づくまでに時間がかかった。

唯一、友人と呼べなくもない同僚の鈴木と昼飯を食べていた時のこと。

「新しく入った愛佳ちゃん、かわいいよね。話した?」


・・・もう呼び捨てか。

鈴木も大概変わり者。
チャラそうに見えてチャラい。

まずこの地味な職場に浮くぐらいおしゃれな細いネクタイをしている。
今日の柄はリバーシブルらしい。

背は低いけど態度はでかい。
でもなんだか憎めない、得なヤツ。
そして人のうわさが大好き。
僕の密かな想いを勘づかれないようにしないと・・・

「あいかちゃん?だれ?」

興味のないふりをして、
社員食堂のホタテ塩バターラーメンをすすりながら答えた。


「おまえは本当にそっけないなー
 芳川とあいさつにまわってこなかったか?
 フードサービス部門に新しく入った杉浦さんだよ。」


「ああ、そういえば来たね。」

ゴムのような食感のホタテを口に運びながら演技を続ける僕。

「その、杉浦さんがどうかしたの?」

「だからかわいいよねって。
 あー旦那と子供がいなければ誘うのになー」




旦那と子供が
旦那と子供が
だんなとこどもが
ダンナトコドモガ
dannnatokodomoga・・・・・





「はあっっっ!!!???」
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