Alien執筆言い訳日記(ブログ的な何か)
8月13日 穂苅さんの詩



穂苅さんの日常


ぼーっと血だまりを見てると
不意に自分がここに居いることが
不思議になってくる
幼い頃遊んだ公園で
俺はずっと遊び続けるはずだった
独りで石蹴りして
独りでブランコに乗って
初めてシーソーで遊んだ時に
やっぱり俺と同じ独りの子が
俺の向かいに乗ってはしゃいでた
俺が帰るって言ったら
まだ遊ぶんだって言って泣いたんだ

指を伸ばす
届かないものに向かって
戻らないものに
失ったものに
それでも朝は来て
なんとなく始まる日常に慣れて
今は俺の相棒で神さまのナイフと
死ぬまでのあいだ旅を続ける

なぁ、これは現実かい?
(現実があればな)
じゃあ、俺は生まれた時から夢を
(見ていたのかもな)

俺と同じ独りの子と遇ったよ
その時俺はあの公園の一瞬が
目の前をよぎったんだ
あの感覚って久しぶりでさ
俺の背中の髑髏が好きだって
変わってるよな
俺の背中に額をつけて
泣いてたんじゃないかな

俺はちょっとだけ後ろを見たくなった
懐かしさにちょっとだけ












< 293 / 367 >

この作品をシェア

pagetop