Idol×Idol

『───プルルルル…ガチャッ─』
情報部に足を踏み入れると朝早くから聞こえる電話の音。ここにいる8割は電話をしていてうるさいぐらいなのだがこのうるさいぐらいが好き。


「あ、佐藤くん?おはよう。」
「あ、仁藤リーダー。おはようございます。」
仁藤リーダーは情報部の中のリーダー。本名:仁藤 好樹(にとう よしき)。32歳の独身男性。ダンディな先輩で普通にかっこいい。


「じゃ、今日も1日よろしく頼むよっ」
『─ポンッ』
そういってリーダーは私のお尻を触る。
はい、894回目。リーダーのセクハラ経歴回数。


「……はぁ…始めるか」
自分のデスクに座り早々ため息。そりゃ、そうだ。894回もタッチをされているから。入社当時は本気で悩んでたが最近はイライラする。
イライラしながらパソコンを開き昨日のまとめた資料に目を通し、資料をさらにまとめる。
細かくすると部長から小遣いがもらえるからだ。ざっとテレビゲーム機が一台買えるくらい。


「あ、佐藤くん。おはよう。お…また小遣い稼ぎかい?」
「あっ田中部長!へへへ…でも今回の資料は大事なプレゼンに使う資料ですので小遣い稼ぎと言うか給料大幅UPの資料ですよ」
「ははは。佐藤くんは面白いね。この間の資料、とてもよかったよ。これからは佐藤くんに頼むよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「だからこれをまとめて欲しいんだ」


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