Idol×Idol


「違いますよっ!社長には私の実力がどれくらいか試されてるんで」
「そっか…じゃあ明日ね!」
「え、何が明日なんですか?」
「決まってるじゃないか少年」
「いや、私少年じゃないですし。どちらかと言うと少女です」
「イベント参戦服だよ〜っおりゃおりゃ」
柚木先輩に背中を叩かれる。

「ちょっ、痛いですって…」
「あー、ごめんごめん。明日、オッケーだよね?」
「ま、まあ…一応早上がりって聞いてますけど…」
「よし決定!」
「いや、決定されても困りますよ。確定した訳じゃないですし」
「愛美は仕事と遊びどっちが大切なの?」
「仕事ですよ」
「あーダメ!この子ダメです!せんせーい!」
「何言ってるんですか。当たり前ですよ」
「だって私は来るだけでお金貰えるから今は遊びの方が大事だもん」
「だもんじゃないですよ。とにかく、私は行けるかどうか決まった訳ではないので」
「え〜何それ…愛美たんのケチ!馬鹿!うんこ!」
「最後汚いですよ」
「………」
柚木先輩はふてくされて黙って下を向いている。


「とりあえず私は資料まとめないと行けないのでメールにして下さい」
「アイアイサー!!」
「なんでそんな返事だけ元気になるんですか。それじゃ」
そういって特別室から出てエレベーターに乗る。


『…──プー─5階です』

「先輩!」
翔大がこっちに駆けつけて来た。

「あぁ、どうしたの?」
「合コン…するんですけど…」
「ちょちょちょ…ちょっと待った…」
「はい、どうなされました?先輩」
「普通さ、合コン誘うのって女子は女子で女子を連れてくるじゃん?なんで翔大が私を?私、男に見えた?」
「いやいや違いますよ。こないだ俺の同級生達と飲んでたんすけど先輩の話したらぜひ連れてきて欲しいって」
「あー…なるほど」
さっきのプチギレに少し恥ずかしくなった。

「で、先輩。来週の金曜日って空いてますか?」
「あぁ、丁度空いてるよ」
「じゃ、じゃあ、詳しい事はメール入れておきます」
「あー、うん分かった。じゃ、出張いってらっしゃい」
「はい!」
そう言い翔大は頭を下げ階段へ降りていった。


< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop