王子様は生意気ルーキー!?
今になって気づく。

私は、斗亜くんを失うなんてできないんだって。

これからもいっぱい傷つけてしまうかもしれない。

たくさん悲しませてしまうかもしれない。

でもね、ただ一緒にいたいの。

そばにいることを許してくれて、ありがとう。

言葉では伝えきれないこの気持ちが、斗亜くんに少しでも伝わるように。

抱きしめてくれる斗亜くんに、ただ「好き。」って繰り返した。

「.....俺さ、先輩。」

しばらくして、斗亜くんがゆっくり話し始めた。

「イギリス、行くから。」

「えっ!なんで....。」

突然の言葉に驚いて目を見開く。

うそ、でしょ...?

「留学することにしたから。...テニスで。」

「!それって.....」

「俺、もう一度頑張ってみようと思う。」

その言葉を聞いて、あの時頑張ってよかったなって思った。

こんな風に変われたんだって。
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