【BL】ラブ・新撰組【衆道】
「レット・イット・・・ビィ・・・」
近藤が小さくつぶやいたのを合図に、三人の男たちはその場に折り重なるように崩れ落ちた。
粛清した土方も、片膝をついた。一撃のみであったが、相当に神経を奪われたらしい。竹刀を杖代わりになんとか体を支えている。
「あの、副局長・・・我々はどうすれば」
戸惑うばかりの各隊隊長に、土方は気丈に指示を出した。
「各隊、交代で非常警備体制に入れ。それから、手の空いたもの数名でこのアホどもを部屋に片付けておけ」
人々が慌しく動き始める。
呼び出された隊士たちによって不埒な三人が運ばれていく。土方は座り込んで深くため息をついた。
隊士二人に抱えられた斉藤がちから無い目で土方を見つめ、うっすら微笑んだ。
「土方さん、僕のところまで、響きましたヨ・・・」
土方は苦々しい顔を返した。そして、絡みついた斉藤の視線の名残を振り払おうと、近くの隊士に酒を言いつけた。手には、まだあの感触が残っている。三人分の想いを受け止めた、あの熱い感触が。
< 23 / 48 >

この作品をシェア

pagetop