レンアイゲーム
「ほんと誰だろ~?あたし、憧れられるようなことした覚えも無いし」
「誰だろね。女子っぽくない?字きれいだし」
里奈がメッセージカードを見ながら言った。
「それ、あたしも思った」
あたしよかひとつ年下のはずなのに、字はあたしよりも上手い。
いやしかし、嬉しいこと言ってくれるねぇ!
憧れてます、って……。
「にょほほっ」
「ちょっ…七瀬!笑い方が気持ち悪くなってる!普通の七瀬に戻れ!」
耳元で里奈が騒ぐ。
気持ち悪いとは失敬な。
てか、至って普通なんですが。
「差出人の名前は無し……。名無しの権兵衛か」
「違う、名無しの権兵子さんだよ。女の子なんだから」
あたしは里奈の言葉を訂正する。
「……どーでもいいわ」
里奈の冷たい視線が、あたしを捕らえた。