レンアイゲーム
急いで玄関に入ると、台所からトントントンと料理する音が聞こえてくる。
それを聴いて、一安心。
「お母さん、ただいま」
「お帰り~七瀬」
トントンとキャベツを刻みながら振り返るお母さん。
ちゃんと手元見てー!
指スパーンっていきそうで怖い。
「今日はね~、メンチカツだよ」
ニコニコと笑いながら、お母さんは言う。
いつも天然で、気の優しいお母さん。
こんな性格で、よくあたしを女手ひとつで育て上げたもんだ。