レンアイゲーム
「刹那ぁ、美夜子ねぇ、部活早く終わったんだぁ。一緒帰ろぉ?」
あーもう、気色わりーから語尾のばすなよ。
「ごめんね、美夜子ちゃん。俺まだ実行委員会の仕事あるんだよ。いつ終わるか分からないから、先帰ってて?」
どんな状況でも、一緒になんか帰らねーよ。
それも、何股もしてることがバレる、危ない行為。
俺は心底申し訳なさそうな顔を作り、目の前のケバケバな女に言う。
演技うめーな。
将来は俳優か?
「そうなんだぁ、ざんねーん!頑張ってねぇ」
「ありがとう。美夜子ちゃんも気を付けて帰ってね」
廊下に誰も居ないことを確認すると、俺は女の頭に手をまわして、深いキスをした。
「ふっ……んっ……」
女は甘い吐息を漏らす。
舌でたっぷり口内を犯してから、俺は唇を離した。
「はぁっ……んもぉ~刹那、爽やかそうな顔して、エロいんだからぁ。こんなとこでやっちゃダメでしょお~?」
肩で息をしながら、女は言う。
そんなん言っといて、目では、“もっとして欲しい”と言っている。
ったく、めんどくせーな。今はそんな気分じゃねーし、何より委員会の真っ最中だ。
「ごめん、美夜子ちゃんがかわいいからさ。あ、俺そろそろ戻んないと!」
「えっ、せつ……」
「じゃあ、気を付けて帰ってね!」
俺は女をうまく交わすと、足早に教室に戻った。