レンアイゲーム


大通りを抜けて、飯島の家がある細い通りに入る。


案の定、後ろの人影はついてくる。





「家、ここ……」

「おー…。んじゃ、家に入るまでちゃんと見届けといてやる」


じゃないと、安心できねーや。


家の真ん前だからって、油断は禁物。




「えっ……と、ご、ごめんね……」


飯島がペコリと頭を下げた。


「別に。……明日もちゃんと送るから。これが解決するまで」


「……あ、ありがと」



……うわ、飯島が俺にお礼。


気持ちわりーや。


「はいはい。ほら、入った入った」


「うん。じゃあ」

玄関を開け、飯島が家の中へと姿を消した。



……さて。


ストーカーは誰かな。



俺は後ろを振り返る。




案外すぐ近くの電柱の影。

そこにそいつはいた。




「誰だよ、お前」


そう問いかけたけど、返事はない。


………と思ったけど。



「……飯島先輩に近づくな」


と、何とも意外な返事が返ってきた。






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