レンアイゲーム
「このキーホルダーにはね、ジンクスがあるんだよ」
銀縁メガネ君との距離は、もうほとんどない。
息がかかるくらい短い距離。
キモチワルイ。
離れてよ。
「このキーホルダーを持つカップルは、幸せになれるんだって」
銀縁メガネ君の手が、あたしのスクバに付いているキーホルダーに伸びる。
それを掴むと、自分のキーホルダーとあたしのキーホルダーを合わせた。
2つに分かれていたものが1つになって、かわいいハートが出来上がる。
「七瀬。ずっと一緒だよ」
そいつの顔が、近付いてくる。
「いやだ!」
あたしはそれを、全力で押し退けた。
「だから、あたしはあんたのこと、別に好きじゃないんだってば!」
っていうか嫌いだ!
ストーカー、超怖かったし!
「………何でだよ」
銀縁メガネ君が、俯いてボソリとつぶやいた。
「え?」
「何でだよっ!」
声を荒げて、銀縁メガネ君が叫んだ。
「俺はこんなに好きなのに!」