3人の王子様



「ふーん、ここが新しい学校なの?」
「さようでございます」
「綺麗だけど、一つ問題があるのよね・・・」
眉間に皺を寄せる。
「男性がいることですか?」
「そうなのよ!」
一気にため息を吐いてドアの向こうを見る。
本当に、“男”という人種が苦手だ。
あ、お父さんと黒田と幼なじみの健だけは大丈夫なんだよね。
なんで私が男が嫌いな訳は前、小さい頃の話だわ・・・

私は誘拐されて破廉恥なことを中年男にされそうになってしまって、される寸前に警察が来て助けてくれたけど・・・
あの時の記憶がトラウマになってしまって・・・
だから、お父さんは唯一大丈夫な健を婚約者にしてしまったのよね・・・
っていうか健が婚約者なんてあり得ない!!
「お嬢様、そろそろ・・・」
「そうね・・・」
『ガチャ』
車のドアが開いて外へ出る。
ちょっと肌寒い・・・
もう12月か・・・。
「いってらっしゃいませ」
「ええ、今度はいつ会うのか分からないけど・・・」
そう言って、学校の方へ向かって歩く。


< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop