仲直りの味
あれから俺たちは一緒に帰らなくなった。



あの時真白は何も言わず、ただ大粒の涙を流して走って帰って行った。



「おい颯ー。最近真白ちゃんどうしちゃったのよー」



友達が笑いながら聞いてくる。



たぶん俺がしたことを言ったら怒るだろうな。



「なんもねぇよ。」



「ふーん。」



俺は真白の反応が怖くて最近避けるようになっていた。



今までは同じクラスでよかったと思ってたけど、さすがに今は気まずい。



チラッとだけ見ると、寂しそうな顔をしている真白と目があった。



すぐに逸らされたけど。



このまま、ずっとしゃべれないのか・・?



ほかの男のもんになっていくのをただ見てるのか・・?



んなの・・・・。



「無理に決まってんだろ・・・」



俺は、席を立って真白のもとに向かった。



「真白。」



声をかけたとき、真白はおびえた顔をしていた。



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