雲の上の景色
あれから、何日何週間も検査の日々が続いた
今日は検査はない。
でも、今日病院に行くんだったら検査を50回やったって、ましだった。
行きたくない理由は、今日は検査の結果を聞きに行く日。
あと2時間で病院に行かなければならないのに誰も起こしにこない。
理由は分かった
母ちゃんも姉ちゃんも父ちゃんも俺と同じ気持ちだから。
いや、俺なんかいい方なのかもしれない。
俺は1階に足を進めた。
リビングは通夜の後みたいな異様な雰囲気を放っていた。
しかも、いつも元気なペットのセキセイインコもなぜか元気がないように見えた。
ペットも俺たちと同じ気持ちなのか?と俺は少し思った。
俺は、遊園地のアトラクションでもないのに、なぜか足がすくんだ。
父ちゃんがポツリと
「健斗、あと1時間で病院だから支度しなさい。」
と言った。