3年分のキス




気づいたらわたしはあのボロアパートにもどっていた

どうやって戻ってきたのか
何で戻ってきたのか

そのへんの記憶はない



電気もつけないまま
わたしの体は玄関で崩れ落ちた

ふっと、たかおちゃんの笑顔が過る



「…たかお、ちゃん」



名前を呟くことですら、わたしの胸を痛める

どうしたらいいのかわからなかった
この想いをどこにやればいいのかわからなかった





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