3年分のキス





テレビがついていた

わたしがつけっぱなしにして行ったのだろうか
暗い部屋でテレビだけがひかっている


ニュースキャスターが発した言葉にわたしは咄嗟に顔を上げた



「西崎たかお、」



その名前が聞こえた瞬間わたしはすがるようにテレビの元へ歩く

画面に映っていたのは
わたしたちが事故に遭ったあの下り坂だった





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