3年分のキス





そして運命の日

その日はたかおちゃんが退院する日だった


わたしは決めていた

彼が退院するまでに思い出さなかったら
わたしは彼の前から姿を消すと


だから今日という日がくることを怖れていたのだけど
ついにきてしまったのである

彼は今日の今日までわたしのことを思い出さなかった



「…諦めろ、ってことだよね」



神様からそう言われてるようにしか思えなかった

本当に、残酷な神様だ





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