3年分のキス






今日も病院に向かう

たかおちゃんに、さよならを言うために


涙は流さない
そう心に決めて

わたしは病室のドアを開けた


そこには
スーツを着て花束を持ったたかおちゃんと
何人もの看護婦さんたちがいた

わたしが病室に入ると一斉にみんなの視線がわたしに向いた



「こんにちは」



たかおちゃんがわたしをみて言った





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