3年分のキス
彼の言葉にふっと微笑んで
最後の言葉を探した
何を言えばいいのだろう
あわよくば
わたしの気持ちを伝えたいところだけど
わたしは彼と明日から他人にならなければいけないから
一度目を閉じて
彼の顔をもう一度見つめた
もう、これで本当に最後
「…じゃあ、また」
そう言って顔を上げたとき
わたしの目からは涙がこぼれていた
彼の顔を焼き付けるように見つめた
「ま、また…」
彼がそう言い終わったときには
わたしは病室を後にしていた