3年分のキス
門出
よくわからない日々が流れていた
たかおちゃんが退院してから1週間
つまりわたしが彼から離れて1週間
わたしは普通に大学に通っていたし
いつも通りの生活を送っていた
泣いて泣いて、うろたえてもいいはずなのに
わたしの心はいたって平常心だった
わたしにとって
大切な人に忘れられるという重荷を降ろせたことは大きな変化だった
まだその事実はなくなってはないのだけれど
辛くないのは当たり前だ
だってわたしは、逃げたのだから