3年分のキス
泣くほど好きなんだよ、麻那
でももう会うことすらできないんだよ
できることなら
たかおちゃんのお嫁さんになりたかった
手渡された雑誌のたかおちゃんをみつめた
あの日から
彼が出ている番組や雑誌には
なるべく目を通さないように心がけていたのだけど
こんなところで出会ってしまうなんて
出会いたくなかった、と言えば嘘になるし
どちらかと言えば嬉しかった
たかおちゃんが元気で、
また仕事をしていることを知れたから
わたしの心は幾分かほっとして止まりかけた涙を拭ったのだった