3年分のキス






それから3日後

わたしは実家へと向かう道にいる


お見合いを決意した、と母に報告するために

ほかの人と一緒になれば
たかおちゃんのことも自然に忘れられるとも考えた



しばらくして、わたしは家の前にたどり着いて
重い戸を開けて部屋に入っていった



「ただいま戻りました」



母はもうすでに部屋の奥の方で待ち構えていた
その様子に少し身震いがした



「決意は、固まったかしら…?」


母は自信満々な顔つきでわたしに尋ねる
単刀直入な質問だった







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