3年分のキス
「……んっ…っ」
容赦なく体のどこにでも触れてくる唇に
吐き気を覚えそうなぐらいだった
部屋中に響き渡るわたしの喘ぎ声と彼の舌の音
その二つの音の調和の気味が悪くて
いっそ逃げてしまえたらと思った
こんなことは、たかおちゃんだけにされたかった
ほかの人なんて考えられなかった
はずなのに……、
気が付くと、わたしはぎゅっと布団を握りしめて目を瞑った
目から、一筋の涙が零れ落ちた
わたしの体だけに夢中な蓮は
そんなことに気付くわけもなく
ただ一人行為を終えて、わたしをぎゅっと抱きしめて眠ったのだった