3年分のキス





「…おはよー」



卵をフライパンの上に落として
菜箸を持とうとしたときに、後ろから声がした

何故か背筋がぞくっとした



「お、おはよ」



それがばれないように、
わたしは笑顔でくるっと振りかえった

蓮はだるそうにリビングのテーブルについていた


それをみたわたしは
はぁ、とひとつため息をついて再びフライパンをみつめた





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