3年分のキス





「そっか。じゃあ、心結ちゃん」



そう、名前を呼ばれて。
わたしの心は踊りだす。

顔が赤くなってくるのを感じて
咄嗟に隠そうと、下を向いて笑った。




「指、血止まった?」




彼が自分の手でわたしの手を掴もうとする。


"あ"

思わず声が出て、




「だ、大丈夫です」




彼に捕まる前に、自分で自分の手をさする。
触れられると、駄目になる。




「そっ、か。気をつけてね」





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