3年分のキス




「何が…?」


「親にまで敬語つかわなきゃいけないなんてね」



"大変だな、って思って"と彼は笑った

心の内を見抜かれた気がした
本当に、これまでずっとつらかったから


誰にも言うことができなくて
ストレスは溜まっていく一方だった

うわべだけの生活に飽き飽きしていた


ひとりになると涙が出るほどだった



「つらかった…」



思わずこぼれる言葉



「過去形なんだ?」



彼の優しい声に今にも降ってきそうな星たちが滲む




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