3年分のキス
「さぁ、いきましょうか」
そう言ってたかおさんは
車の戸を開けてわたしを助手席に案内してくれる
たかおさんの車に乗るのは初めてだ
妙に緊張するのはわたしだけだろうか
シートからは
たかおさんの香水の匂いがして
なんだか右肩がくすぐったい
助手席に座れるだけでなんだか特別って言われてる気がして
たかおさんは前にここに誰かの乗せたこともあるんだろうな
そんなことを考えて少し嫉妬を覚えつつ
わたしはシートベルトを締めた
そうしているうちにたかおさんも運転席に乗り込んできて
彼がハンドルを切って、車が動き出した