3年分のキス
勢いで家を出たはいいものの、
どこに行けばいいかすらわからない
いままで豪華なドレスは山ほど着てきたけど
それは全部お母さんが選んだものだった
自分で買ったことなんて一度もない
「あっ、タクシー…!」
行き場所も決めないままにわたしは勝手に手を挙げていた
「どちらまで?」
タクシーの運転手さんに聞かれた
困ったわたしはとりあえず
「は、原宿まで…」
と言っておいた。
うん、高いドレスもありそうだし、ね。