真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
だから、逆に心の方が、また来てねと、心の中で申し訳ない気持ちでつぶやくほどだった。

「じゃあ、またね。
…っとと、いけないいけない、忘れる所だった。はい、これ。」

「?」

心が受け取った物、それはクラスメート達の寄せ書きが書かれた色紙だった。

「我がクラスの学級委員で生徒会長、塚田勇平殿の御提案による、励ましの色紙でござる…」

圭子は、半ばふざけながら、苦笑しつつ心に渡した。

所でこの塚田勇平、親が日本でも三本の指にはいるほどの大金持ちで、いわゆるボンボンであった。
その為、育ちのせいか、何かあれば金で解決しようとする癖があった。

さらに、自分の為にしか金は使わないタイプの人間なので、学級委員で嫌われ者と言う、すごいポジションを築いていた。
しかも、塚田勇平とあの、小岸由子がカップル。

そう言う訳で当然、塚田勇平みたいなタイプが嫌いな心に色紙を渡す時、圭子は思わず苦笑してしまったのだ。
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