真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
ねえ、私と同じクラスの誰かさん?もしかして、意外とアンタが、『姿無き恋の野獣』だったりしてね、あははははっ!」

心はたまらず、泣き笑いをしながら、『真夜中の十二時』を罵った。

-やっぱり、自分自身でけりを…イヤッ、やっぱり、怖い…お父さんや、お母さんに頼るしか…

最悪、転校して…

サヨナラ、『真夜中の十二…-

「僕は『真夜中の十二時』!『姿無き恋の野獣』なんかじゃないよっ!

僕だって、早くこの苦しみから君を救ってあげたくて仕方が無いんだっ!」

その言葉を聞いた瞬間、心はドキッとした。

-こんなに感情的になって話す『真夜中の十二時』って、初めて…-

…ただの言い訳でしょ…とは、その『真夜中の十二時』の言葉からは、意地悪く思う事が、心には不思議と思えなかった。

何というか、むしろ今までの『真夜中の十二時』の、作り物のお世辞言葉や慰め言葉では無く、これこそが、『真夜中の十二時』の本心から出た気持ちと言うのが、直感として感じられたからかもしれない。

-今のあなたが、本当の偽らない姿なの?-
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