真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
-四日ぶりの教室-

…初めてだった。親友に対して、「おはよう」を言わなかったのは。

「よう、久し振り!…大丈夫か、雪村?」

そう話しかけてきたのは、田中秋生と言って、率先してマルミの墓作りの手伝いをしてくれた、大柄な力持ちのクラスメートの男子だ。

そして同じくクラスメートである、幹恵、恭子、眞紀子と、仲良し三人娘も、心を慰めに来てくれた。

「みんな、ありがとう。」

ほんの少しだが、張り詰めた心がほぐされた様に、心は思えた。

だが、すでに教室のある場所で、おぞましいほど陰険で、真っ黒な意思が働いている事に、心は気付く事が出来なかった。

-あんなに弱ってたのに、学校に出てこれるなんて。

くくくっ…そうでなくっちゃあ、楽しくない。

これは復讐だ、雪村。ちょうど一年前に、この俺の力を馬鹿にしやがった、お前に対するな…
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