真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
昼間の危機を思い出し、自分の部屋の机の前で安堵のため息をつく心。だが、決して心の胸の内は穏やかではなかった。


-やっぱり、守ってくれなかった。嘘つき…-



…心は待った。ひたすら机の前で、『真夜中の十二時』から、電話がかかってくる、真夜中の十二時を。

散々、悪態をついてやる為だけに。

しかし、その時間が来ても、一向に『真夜中の十二時』からの電話はかかってこない。

待てども、待てども一向に…



次の日の朝、あんな事があったにも関わらず、心は学校に出かけた。

今の心は、普通の心持ちではなかった。命の危険の不安より、もっと大きな思いが、胸の中でざわめいていた。

-許せない、『真夜中の十二時』!-

よく解っている、そんなにすぐに対策をうてていたぐらいなら、今の今までこんなに心は苦しんでない。
見えない敵から守ってくれと言う方が、無茶だ。

ただ、自分を守ると言ったのは、他でもない、『真夜中の十二時』自身だ。

だからこそ、今回だけは、自分自身を守って欲しかった。
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