真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
敵と同じく、透明人間、そしてヒーローぶるなら、どこから共なくやってきて、荒れ狂う自転車から自分をさっと救出してくれればいい。

その方が…百の賛辞・慰め言葉よりも、一の頼もしい行動の方が、女はとろけるではないか。

心は、学校に向かう。頼れない騎士(ナイト)を見限りに。

-午前八時四七分-

-もう、時間的には遅刻だけれど、そんなのこの際、関係ない!岡本先生も来ているだろうけれど、あえてみんなの前で、『真夜中の十二時』に悪態ついてやる!

…もう二度と、私の携帯にかけてくる事が出来ないぐらいに、男の面子を潰してやるんだから。-



「やい、『真夜中の十二時』!まさか今日に限って、休んでなんか、いないわよね?

あんたまで私を裏切ってくれて!

…何とか言えっ!『真夜中の十二時』!」

教室に入るなり、心は、大声で叫んだ。何度も何度も。

慌てた担任の岡本先生は、授業中に何を、と心を制止しようと試みたが、余りの心の剣幕に、どうする事も出来なかった。
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