真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
-本当は、恨んでなんかいない!これだけ狡猾な犯人だもの。きっと、実らなかったけれど、色々と水面下で私の為に動いてくれていたのよね。

でも、もういいの。あなたにお別れを言った後、両親に洗いざらい真実を伝えるつもり。

初めからそうすれば、良かっただけの事。
いくらヒーローと言っても、私と同じ子供。まだ少年。期待しすぎて、苦労かけてゴメン…-

心がそう思ったその時、電話の向こうから、ずいぶん遅れた返答が返ってきた。

「…そう。僕は確かに『真夜中の十二時』。ただ、君にとっての『真夜中の十二時』は、もういない…」

「どういう事!?」

心がそう聞き返すと、しばらくの沈黙の後、返答の代わりに、何やら、すすり泣く声が聞こえてきた。

「…あなた、泣いてるの。なぜ!?」

「…君を…ううっ、守れなかった…
負けたんだ、奴らに…
それだけじゃない…

…自分自身さえ、も…」

「えっ?一体それはどういう…」
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