【短編集】 切恋セツコイ
涙味
告白した。
大好きな彼に。
でも、「ゴメン」って言われた。
初恋だったのに。
ずっとずっと、
大好きだったのに。
ホントは。
「好きじゃなくてもいいからキスして」って
言いたかった。
でも、そんなこと言える訳ない。
いつの間にか、彼はいなくなっていて。
頬を涙が伝った。
そよ吹く風に、
そっとつぶやいた。
『さようなら。私の初恋。』
初恋は、涙味。
*Fin*