CHAIN
「後でやろうぜ。二週間もあるんだぞ。」
あれから優しい笑顔を見せてくれる、凛。
「今日全部終わらせたら、
後々やる事なくなるだろ。」
あれから目を見て話すようになった、凛。
「じゃあ今は何をするの?」
今度は私が努力する番だ。
「散歩とか。」
凛が優しく笑った。
勝手に城内をうろつくなと、
女中に散々言われていたけど、
私達は城内を歩き回った。
階段があると上に上がり、
行ける所まで上に登ると部屋も壁もない
テラスのような空間に出た。
太い柱が沢山並んでいて、外が見渡せる。
ちょうど日が暮れるところだ。
白い柱に、沈む夕日がよく映える。
いつもどこか悲しげな君が、
いつか心から笑えますように……
「綺麗……」
私はうっとりとそれを眺めた。
「あっちは砂漠ばっかりだな。」
「沢山歩いたんだね、私達。」
突然、凛が口を開いた。
「俺達には俺の五つ、風の三つ年上の、
悠っていう姉ちゃんがいた。
俺達は優しくて、頭良くて、
美人の悠が本当に大好きだった。」
凛は瞬きをせずに前を見たままで、
呟くように話し続けた。
あれから優しい笑顔を見せてくれる、凛。
「今日全部終わらせたら、
後々やる事なくなるだろ。」
あれから目を見て話すようになった、凛。
「じゃあ今は何をするの?」
今度は私が努力する番だ。
「散歩とか。」
凛が優しく笑った。
勝手に城内をうろつくなと、
女中に散々言われていたけど、
私達は城内を歩き回った。
階段があると上に上がり、
行ける所まで上に登ると部屋も壁もない
テラスのような空間に出た。
太い柱が沢山並んでいて、外が見渡せる。
ちょうど日が暮れるところだ。
白い柱に、沈む夕日がよく映える。
いつもどこか悲しげな君が、
いつか心から笑えますように……
「綺麗……」
私はうっとりとそれを眺めた。
「あっちは砂漠ばっかりだな。」
「沢山歩いたんだね、私達。」
突然、凛が口を開いた。
「俺達には俺の五つ、風の三つ年上の、
悠っていう姉ちゃんがいた。
俺達は優しくて、頭良くて、
美人の悠が本当に大好きだった。」
凛は瞬きをせずに前を見たままで、
呟くように話し続けた。