CHAIN
移動が応えたのか、悩み疲れたのか、
気が付けばまた朝が来ていた。

バルドの船を見送ってから、
アッサと五人でゼノの元へ急いだ。
他の仲間達も島を出発して、
こっちへ向かっているはずだ。

私はまた砂漠で転ばないように、
凛の服を掴んでいた。

「俺が死んだら…お前どうする?」

何千回考えても答えの出ないその質問は、
私を悩ませ続けた。

どれくらい悲しくて、
どれくらいやりきれないんだろう。
それはきっと、言葉では言い表せない。

日に焼けて黒くなった姉妹は、
もう化粧をしていると
間違われることはないだろう。

そんな光景を二か月近く見ていると、
前の世界を思い出せなくなる。
もし鎖が外れたらどうなるだろう?
姉妹と兄弟は
離れ離れになってしまうのだろうか。

お昼のアンチョビパンをかじる。
もうこの味には慣れてしまったし、
楓の文句も聞き飽きた。
一か月以上も食べているのだ……
不味いも何もあったものじゃないが、
楓は慣れというものを
知らないらしい。
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