すれ違い
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」



何も話さないあたしに



「はぁ。話さないんなら帰りてぇんだけど」



大げさにため息をつかながら拓人が言う



「なんで‥‥‥?急いでるの?」



口から出てきたのは思っていたのとは全然違う言葉だった



「別にそういうわけじゃないけど‥‥‥」



めんどくさそうに言う拓人にかちんときて



「華先輩に会うんでしょ!!」



思わずきつい口調で攻めてしまう



「だからちが‥‥‥ってかさ、俺が誰と会おうがもう関係ないじゃん?」
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