すれ違い
ドンッ



「うぉっ?!」



にやけた顔を拓人に見られないようにまた抱きついた



「ヘヘッ」



だんだん拓人にも気持ちが伝わったのか、あたしの背中に腕が回された



「雪葉ぁ」



あたしが幸せでぽーっとしていると上から声が掛けられた



「ん?」



「ケーキ食っていい?」



「だめ」



あたしは即座に拒否する



あたしあの時すごく傷付いたんだもん



そんなに簡単にはあげられない


「なんでだよ〜」



拓人のしょげた声が聞こえる



「だって拓人こんなのって言った」



「うん、ごめん」



「あたし頑張って作ったのに食えんのって言った」



あの時のことを考えると涙が溢れる
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