すれ違い
「うん、ごめん。泣くな‥‥」



そう言って目から溢れる涙をキスをしながらぬぐってくれる



「照れてただけだから‥‥。だけどせっかく雪葉が俺のために作ってくれたのに、ごめん。ケーキおいしかったから。ちょうだい?」



「‥‥‥ずるい」



そんな風に言われたらあげたくなっちゃうじゃん



「ケーキじゃなくて雪葉でもいいけど」



「ばか‥‥」



あたしはそう言って拓人を叩いた



パシッ



その手を拓人がつかむ



「もう別れない?」



「え‥‥‥?」



「別れるっていうの取り消してくれる‥‥?」



拓人が不安そうに聞く



「‥‥‥‥‥うん」



あたしの返事はずっと昔から決まってる
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