雨と傘と
小峰に説明をするかどうか…私も悩んだけど。

二人に対する私の気持ちを知っている彼女は、私をとても励まして支えてくれていたから。大切な親友だから。すべてを正直に話そうと思っている。




調度よく自習になった時間に、教室の隅で小峰に話すと、

「やるー!!中一にして二股!魔性の女じゃん!」

という、なんとも返しにくい言葉をくれた。

「恋愛なんて本当にいろんな形があると思うんだ。
どんな気持ちでどんな関係を築くかは、本人たちにしか決められないんだよ。常識ではない形でも、本人同士がそれが正しいと思えば、それが正解なんだと思う。」

とても中学一年生の考えとは思えない達観した世界観を見せつけて。

「もし何かあっても、私は味方だよ。ただし、景先輩を横取りしたら怒る。」

明るく受け止めてくれた彼女に心から感謝したい。


ありがとう、小峰。


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