雨と傘と
その時、春にいの後ろから顔がにゅっと現れた。

「ハルー、誰ー?かぁわいー。」

「……ああ、幼馴染の、岬幸葉。」

「幼馴染ー!俺、ハルの友達の花沢景。ケイって呼んでね。よろしくね~、ゆきちゃん☆」

「よ、よろしくお願いします」

び、びっくりしたっ
心臓止まるとこだった。
突然現れた景さんは、話し方がものすごくチャラいが綺麗な顔をしていて。女の子みたいなもち肌…羨ましい…春にいと同じくらい背が高くてスラっとしてて、非常にモテそう…

「おまっ、幸葉を脅かすなよ。しかも馴れ馴れしいな。」

春にいが景さんを睨む。

「そっちの子は~?」

景さんはニヤニヤしながら春にいを完全に無視している。

「小峰愛です!!アイって呼んでくださいっ!!」

小峰…堂々としすぎ、そしてテンション高い。

「アイちゃんね☆よろしく~!」

テンションのやたら高い二人。
春にいは嫌そうに眉をひそめて景さんを見てから、こちらに視線を戻した。

とろけるような瞳で。

そして茫然と立ち尽くす私の頭をぽんぽんすると、

「今日は一緒に帰ろうな。」

そう言って、景さんを引きずりながら廊下を歩いていった。
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