雨と傘と
「一年ぶりくらいに見たけど、瑞浪先輩、さらにカッコよくなったんじゃない?しかも景先輩マジイケメン!!」
教室に戻っても、小峰のテンションは高いままだ。
「………。」
小峰のでかい声も、なんだか耳に入ってこない。
さっきの春にいの顔がしぐさが頭から離れてくれない。優しく見つめる瞳も、私の髪に触れる手も、あまりにも魅力的で。周りに誰もいなかったら、私は彼の胸に飛び込んでいたかもしれない。あの腕に抱かれたかった。触れたかった。抱きしめられたらどんなに気持ちいいだろうか…そう考えるだけで、心臓がドキドキして、身体の芯が熱く疼いた。
そんな私の様子を小峰が訝しむ。
「岬、どした?」
「うん…」
彼女はニヤッと笑うと。
「瑞浪先輩のコト考えてるんでしょ?」
核心を突いてきた。
「!!!」
彼女は鋭い。鋭すぎるくらい。特に私のことをよくわかっているから手ごわい。この親友に隠しごとができるほど、私は器用ではないのだけど。だから、観念して、正直に話すのが常だ。
「分かんないけど…なんだか春にいが春にいに思えなくて。兄ちゃんって感じがしなくて。だから戸惑っちゃう。今までと、違うの。」
小峰はさっきのテンションは仕舞って真面目な顔を作ると、正面から私に言った。
「岬、瑞浪先輩はあんたのことを妹と思ってはいないと思う。
女として見てると思う。」
教室に戻っても、小峰のテンションは高いままだ。
「………。」
小峰のでかい声も、なんだか耳に入ってこない。
さっきの春にいの顔がしぐさが頭から離れてくれない。優しく見つめる瞳も、私の髪に触れる手も、あまりにも魅力的で。周りに誰もいなかったら、私は彼の胸に飛び込んでいたかもしれない。あの腕に抱かれたかった。触れたかった。抱きしめられたらどんなに気持ちいいだろうか…そう考えるだけで、心臓がドキドキして、身体の芯が熱く疼いた。
そんな私の様子を小峰が訝しむ。
「岬、どした?」
「うん…」
彼女はニヤッと笑うと。
「瑞浪先輩のコト考えてるんでしょ?」
核心を突いてきた。
「!!!」
彼女は鋭い。鋭すぎるくらい。特に私のことをよくわかっているから手ごわい。この親友に隠しごとができるほど、私は器用ではないのだけど。だから、観念して、正直に話すのが常だ。
「分かんないけど…なんだか春にいが春にいに思えなくて。兄ちゃんって感じがしなくて。だから戸惑っちゃう。今までと、違うの。」
小峰はさっきのテンションは仕舞って真面目な顔を作ると、正面から私に言った。
「岬、瑞浪先輩はあんたのことを妹と思ってはいないと思う。
女として見てると思う。」